金沢市持続可能な社会を形成するための連絡会ニュース
第10号  平成14年3月15日発行

 

 今年2月、環境省が廃棄物処理法を2003年の通常国会で抜本改正する方針を 固めたとの報道がありました。有価で取り引きされているリサイクル可能物や、他の 法律で規制している有害物質を新たに同法の対象に加えるなど廃棄物の定義を 拡大、リサイクル促進と不法投棄を防ぎ適正な処理を進めるようです。さらに、 テレビなど家電4品目のように生産者が廃棄まで責任を持つ拡大生産者責任の 考えを新たに盛りこむこと、処理責任で2分類している廃棄物を処理責任や安全 性などから生活系、事業系、有害性、リサイクルの各廃棄物に4分類することなども 視野に入れています。ちょうど、昨年12月の第11回連絡会にお招きした環境省廃棄物・リサイクル対策部の江口課長が講演の中で、「『廃棄物』の定義の見直しが今後の廃棄物行政の根幹に関わる」と強調していたことが思い出されます。  今回は、連絡会の今後の活動とこれまでの活動の振り返り、そして、平成14年度の金沢市の主な環境施策を中心にご紹介します。
廃棄物削減やグリーン購入の推進を!
          連絡会、新たな2年間の活動へ
 さる2月15日、第12回連絡会において当連絡会の活動をさらに2年間継続運営するとともに、従来の地球温暖化防止に加え、廃棄物削減やグリーン購入の推進をその目的として活動していくことになりました。
■新運営委員紹介
 今後2年間の運営について事務局と協議する運営委員に、次の5社の担当の方が就任いたしました。
代表運営委員 中橋システム梶@   中橋 和夫
運営委員    鰍mTT−ME北陸  宮下 裕治
運営委員    鞄圏m設計      坂野 俊紀
運営委員    真柄建設梶@     西田 隆男
運営委員    安田火災海上保険梶@ 中村 憲二
(敬称略)
■次回連絡会は 「紙のリサイクルの促進」
 新たな2年間のスタートとなる 第13回連絡会は、事業系一般廃棄物として排出の多い紙をテーマに古紙リサイクル工程の見学と、古紙利用促進に関する研修を行います。
日時 4月17日(水)午後2時〜4時
場所 加賀製紙梶i西金沢1丁目)
内容
  @工場見学
  A古紙の現状について 樺島商店
 Bオフィスペーパーリサイクルかなざわ
   のシステムについて 北陸電力
  C印刷と再生紙    葛エ本清文堂印刷 
■今後の主な活動予定
 先進企業の事例紹介や施設見学会のほか、
○廃棄物の適正処理とリサイクル促進
 現在、会員が抱えている廃棄物問題事情について整理したうえで、優良排出事業所の取り組み事例研究やリサイクル企業情報の収集等を行い、会員企業の廃棄物対策を支援します。
○グリーン購入の推進
 環境に配慮した物品の購入を推進するために、 グリーン購入に関する講演会の開催や、会員企業の購入指針づくりを支援します。
○地球温暖化防止実行計画の策定支援
 計画策定のための研究会を開催します。 ※平成14年度認定証授与式は6月と12月を予定
ただいま新規会員募集中!
 当連絡会では、現会員の継続参加に合わせ、新たな会員を募集しています。この機会にぜひご参加いただき、社内の環境保全活動にお役立てくだ さい。
事務局(金沢市環境保全課内)234-5132

2年間の活動を振り返って
 平成12年7月10日に会員34社でスタートした当連絡会は、約2年間で69社の会員となり、先進企業の視察や取り組み紹介、環境省・東京都職員による講演、会員企業によるパネルディスカッションなど12回の全体会を開催しました。また、会員企業の事務・事業活動から排出する温室効果ガスの削減計画である地球温暖化防止実行計画を24社が策定しました。ここで、改めて主な活動を振り返ってみます。 ■地球温暖化防止実行計画の策定
 平成13年6月1日、12月5日の2回回、計画を策定した会員計24社に対し、山出市 た会員計24社に対し対し、山出市長か ら「地球温暖化防 止に積極的に取り組んでいる企業であることを認 定する」とした認定証が手渡されました。

 

金沢市持続可能な社会を形成するための連絡会規約
(名称)
第1条 本会は、「持続可能な社会を形成するための連絡会」(以下「連絡会」という。)と称する。
(目的)
第2条 連絡会は、市内の企業が一社でも多く地球温暖化防止実行計画を策定するよう支援するとともに、廃棄物削減やグリーン購入の推進を図ることなどにより、「持続可能な社会」の形成に資することを目的とする。
(事業)
第3条 連絡会は、前条の目的を達成するため、次の事項を行う。
(1) 地球温暖化防止実行計画策定のための情報提供
(2) 廃棄物削減・リサイクル向上のための情報提供
(3) グリーン購入調達方針策定のための情報提供
(4) 会員相互の交流、情報の交換
(5) その他連絡会の目的を達成するために必要な事項
(会員) 第4条 連絡会の会員は、金沢市内に事業所・工場等を有する企業で構成する。
2 連絡会に幹事会を置く。
平成12年7月10日制定   平成14年2月15日改正
(運営委員)
第5条 連絡会に運営委員若干名を置く。
2 運営委員は、幹事会員の中から選任する。
(職務)
第6条 運営委員は、事務局とともに連絡会の運営について協議する。
(会議)
第7条 会議は、事務局長が招集する。
2 会議の進行は、運営委員および事務局がこれを司る。
3 幹事会は、地球温暖化防止実行計画を策定した企業で構成する。
(会費)
第8条 会員の会費は、2年間で2,000円とする。
(事務所および事務局)
第9条 連絡会は、事務所および事務局を金沢市西念3丁目4番25号(金沢市環境部環境保全課内)に置く。
(設置期間)
第10条 第2条の目的を果たしていくため、連絡会の設置期間を2年間延長し、平成16年3月31日までとする。
■12回の連絡会の主な内容
@先進企業視察
キリンビール竃k陸工場のごみゼロの取り組み
 ごみゼロを実現するために、1,000品目以上の副産物・廃棄物をリストアップし、これ を32のグループに 分別収集していま す。工場内には リサイクルステーショ ンが数カ所あり、屋外にあるリサイクルセンターに 運ばれ、中間処理または再生業者に渡す仕組みとなっていました。




ニッコー樺゚来工場のエコ・プロダクツの取り組み
火力発電所で発生した 石炭灰や陶磁器くずを 原料として再利用した エコタイルの製造工程 や小型風力発電機など を見学しました。







鰍oFUの環境マネジメントシステム

 ISO14001が制定された1996年に国内でもほぼトップの段階で認証取得しているため、先進的な取り組みが数多く見られました。工場内全体の約4割を雨水でまかなったり、省エネルギーの推進で売上あたりの電力使用量を2000年度末に1990年度比28%削減したり、このほかにも食堂の生ごみの堆肥化や廃棄物の分別徹底なども行っていました。

A先進企業による講演会等
北陸貨物運輸鰍フエコ・ドライブの実践
 車の走行状況をコンピュータで分析する車載端末装置を設置し、ドライバーが戻るごとに運転状況を点数表示し、運転管理者と安全管理者が個々に指導を行っているという取り組みで、社員のエコドライブ意識が向上し、大幅な燃費改善につながった事例でした。
ホテルニューオータニ循環型リサイクルシステム
 「環境問題は経済というダイナミズムをもってすれば必ず解決できる」という信念に基づき、23億円を投資して、10年でほぼ全てを回収。8万uのビル1棟分のエネルギーや水を削減したことに加え、ホテルから出る生ごみの堆肥化を単なる廃棄物削減ではなく、オータニブランドと呼べるような環境ビジネスにつなげた取り組みでした。

B環境省、東京都職員による講演
環境省
 地球温暖化防止月間である12月に記念講演として開催したもので、平成12年は、環境省が毎年発行している環境白書の担当者である小木津調査企画室長に「今後の環境政策の展開と各主体の役割」を、また、平成13年には、廃棄物・リサイクル対策部の江口企画課長に「循環型社会の展望」についてご講演いただきました。いずれも国の今後の環境政策の動向を知るうえで、良い機会でした。
東京都環境確保条例
 「ディーゼル車NO作戦」をはじめ、国に先駆けた環境保全施策を展開している東京都が昭和44年に制定した公害防止条例を22年ぶりに全面改正した「環境確保条例」の内容について話を伺いました。ディーゼル車の走行規制だけではなく、土壌汚染対策、建築物環境計画書の提出など事業活動に大きな影響を与える規定が多数盛りこまれていました。




C会員企業による環境対策の発表
 地球温暖化防止実行計画を策定した会員企業の中から、平成13年6月に3社、平成14年2月に5社がパネルディスカッション形式で、その取り組みを紹介しました。

Dその他
 このほか、最近話題となっている「環境格付け」が今後の企業経営にどのような影響を及ぼすかの講演会や、金沢市保健所で実施したエネルギー診断結果に基づいての省エネルギーの進め方に関する講演会も開催しています。この事例をもとにエネルギー診断を実施し、省エネルギー推進に役立てている会員企業が何社もあります。
平成14年度金沢市の環境施策
平成14年度金沢市当初予算から、主な施策をご紹介します。
■ 地球温暖化対策
@リサイクルエネルギー活用の事業化を調査
 平成13年度に策定した新エネルギービジョンを踏まえ、遊休落差エネルギーを活用したマイクロ水力発電や下水処理場の消化ガス有効利用の事業化調査、分散型電源システム普及計画の策定に取り組みます。
AISO14001認証取得施設の拡大
 平成12年2月にすでに認証取得している、東部クリーンセンター(鳴和町)の活動範囲を、同じごみ焼却施設である西部クリーンセンター(東力町)まで拡大取得します。また、末浄水場、犀川浄水場、排水施設での認証取得に着手します。
B市施設の省エネルギー診断
 平成13年度に病院や総合体育館など20の施設で省エネルギー診断を実施したのに続いて、30の施設で実施します。
C天然ガス車の導入
 
天然ガス仕様の清掃車を2台導入するとともに、平成15年3月に運行開始となる「ふらっとバス材木ルート」に天然ガス車両3台を導入します。
Dまちなか屋上等緑化助成制度、対象区域を市街化区域全体に拡大
 これまで、市の中心部で建物の屋上や壁面を緑化する所有者の方を対象としていた助成制度を市街化区域全体に拡大します。
助成基準額:屋上 50千円/u
        壁面  5千円/u
助成総限度額:いずれも1,000千円 助成率:経費の1/2
問い合わせ 緑と花の課
 220-2356
E金沢市版「環境活動評価プログラム」作成支援
 経費面、人手不足等から当面ISO14001に取り組むことが難しい事業者に、これに代わる環境ツールとして、環境省が実施している「環境活動評価プログラム」をレベルアップした金沢市版の作成を支援します。策定の1年後に環境カウンセラーによる審査を実施、指導することにより、改善効果を高めます。
問い合わせ 環境保全課 234-5132
■循環型社会の構築
@発生抑制優良店認定事業
   スーパーマーケット等の小売
店を対象に、廃棄物の発生抑制にかかる優良店を認定し、事業者や消費者の意識高揚を図ります。
A産業廃棄物の適正処理促進を指導
 建設リサイクル法の施行に対応し、建設廃材等の埋立場への搬入規制や適正処理にかかる指導を実施するとともに、増加傾向にある不法投棄などごみの不適正処理に対する監視、指導を強化します。また、PCB廃棄物特別措置法の施行を受けて、市内の事業者におけるPCBの保管、処理状況を把握します。
Bごみ収集情報の発信
 携帯電話やパソコンを活用し、ごみ収集や環境に関する情報をリアルタイムで発信する「金沢ごみゼロ・ドットコム」を構築します。
C戸室リサイクルプラザ(仮称)の建設本格化
 不燃・粗大ごみの破砕選別施設や容器包装プラスチックの圧縮梱包施設、環境学習施設などを備えた戸室リサイクルプラザ(仮称)の平成15年7月稼働を目指し、建設を本格化します。

フロン回収破壊法が
  4月1日から施行となります


  第一種特定製品(業務用冷凍空調機器)を廃棄する際には、その機器に充てんされているフロン類を都道府県の登録を受けた「第一種フロン類回収業者」に引き渡すとともに、回収・運搬・破壊に要する適正な料金を支払わなければなりません。 問い合わせ 石川県環境政策課 223-9167
金沢市持続可能な社会を形成するための連絡会
事務局(金沢市環境保全課内)
〒920-0024 金沢市西念3丁目4番25号
076-234-5132 FAX076-220-2518