金沢市持続可能な社会を形成するための連絡会ニュース
 第2号  平成12年9月1日発行
 
1990年代に入ってから地球温暖化が加速しているといわれていますが、20世紀最後となる今年の夏は、まさにそれを象徴するような夏でした。連日真夏日が続き、最高気温も37℃超を数回記録、このため消費電力は過去最高を記録し、また、エアコンのためにアイドリングしている車も数多く見られました。こうした行動がますます地球温暖化を加速させる悪循環を招きそうです。さて、今号では、7月10日の「金沢市持続可能な社会を形成するための連絡会」設立総会を中心にお伝えします。
 
「金沢市持続可能な社会を形成するための連絡会」
            幹事会員34社でスタート
7月10日、金沢市保健所健康ホールで幹事会員34社(当日欠席4社)参加のもと、「金沢市持続可能な社会を形成するための連絡会」設立総会が開催されました。会議では、連絡会規約の承認を得るとともに、地球温暖化防止実行計画策定マニュアルの説明やエコ・ドライブについての事例報告、そして活発な意見交換が行われました。
■参加企業名
 前号で参加をお伝えした22社に加え、さらに12社が参加しています。
(新たな参加企業名)
 鰍mTT−ME北陸
 竃k日本ジオグラフィ
 兼六建設
 J−フォン北陸
 椛蝌a
 轄sc組
 鞄結档Xトアー
 鞄本海コンサルタント
 潟oザールフーズ
 潟zクコク地水
 北陸通信工業
 潟シカワ
            (アイウエオ順)

■連絡会規約について
 連絡会の規約が次ページのとおり承認されました。連絡会の目的を速やかに果たしていくために設置期間を2年間、また、主体的な参加の意思確認のため、設置期間中の会費を2,000円と
しました。
 また、事務局とともに連絡会の運営の中心となっていただく運営委員に次の企業担当の方が選ばれました。
 鰍mTTデータ北陸支社
 褐F谷組北陸支店
 轄蒼y開発センター
 潟сMコーポレーション
            (アイウエオ順)
地球温暖化防止実行計画の策定について
 各企業が地球温暖化防止実行計画を策定していくうえで、最も大切な、温室効果ガスの排出量の現況把握方法を中心に説明しました。その中で出た質疑応答のいくつかをご紹介します。
◆会社の範囲及び計画期間の捉え方について金沢市内にある事業所すべてについて考えることを原則としているが、市外の分を加えてもかまわない。各企業の決算月に合わせて1年間基本となる数字を捉えていただきたい。
◆車からの温室効果ガスの把握はガソリン使用量で求める方が求めやすいのだが…
 二酸化炭素については、ガソリン使用量で求めるが、メタンガスと一酸化二窒素については走行距離から求めるということになっており、日誌等で把握していない事業所は、初年度メタンガスと一酸化二窒素は無視して計算していただきたい。
◆テナントとしてビルに入っている場合の空調用重油使用量の把握について
貸しビルの場合、床面積などで分担金が決まっいると思われ、ビル全体の分を調べて、そのうちの何割が自分の会社の分かを調べる必要がある。
他のテナントも取り組まないと効果が現れない恐れもあり、ビル全体でエネルギー抑制を図っていくことが望ましく、そうした会社への呼びかけに対し、市としても積極的に協力したい。
◆二酸化炭素吸収源である木の植樹をすることによる減少分をカウントする必要はないか。
 樹木による二酸化炭素の吸収は、木の成長分にあたり、木一本でどれだけということはなかなか量れないため、緑化に伴う二酸化炭素の吸収は考えないことになっている。
◆その他
 民間企業で温室効果ガスの削減に取り組んでいく際に難しいのは、業績が上がることによって排出量が増えることであり、どれだけの業績をあげるためにどうだったか原単位を考えて捉える必要がある。 
事例発表
「我が社のエコ・ドライブ」
 
北陸貨物運輸椛纒\取締役           
     山田 秀一氏
去年、車がどういう状況にあるかをパソコンカードで読みとる車載端末装置を10台の車に設置した。あらかじめプロのドライバーの基準値をコンピュータに入力し、ドライバーが戻った時に点数表示するもので、この結果を運転管理者と安全管理者が個々に指導した。3ヶ月を経て燃費が平均値6.5qを超えるAランクが初めて出た。
現在ではほとんどのドライバーがAランクに至っている。
 Cランクの評価を受けたドライバーの運転を分析してみると、一般道で70qの速度を頻繁に超え、エンジン回転数も2,000回転をぽんぽん超えている。急発進、急ブレーキ、アイドリングなども繰り返している。
 コンピュータが分析と指導をすると、第三者から聞くような形になり、感情的なトラブルがなくなったことがこのシステムを導入しての大きな利点である。このシステムは新人ドライバーの教育を念頭に置いて、新しい人から順に取り入れた。
新人の間では、今日は何点だ、今月はどのランクに入ったというのが話題になっている。こうした人間が10人以上になってくると、全員の意識向上につながる。
 省エネ運転をするには、エンジン回転数をいかに抑えるかがポイントで、一般道では1,800回転以下、高速道では、2,400回転以下が望ましく我が社では、この回転数に設定している。
 
 
       (事例報告内容より抜粋)
3年前の4月にいすゞ自動車の協力を得て、省
エネ走行と安全ということで講習を行った。この日、車を4台使用し、全部で54名がテストを受けた。前日より、車にコンピュータを搭載し、プロドライバーが一般道の道路勾配、起伏、その地点の表示速度をすべて計算した上でどのような走行が一番適しているかをコンピュータにインプットした。表1は、14名のドライバーの平均値を集計したもので、4トン車に積載4トン積んで走行したもの。全走行距離2.4qを「日常」と書いてあるのはドライバーに好きなように運転させたもの、また、「省燃費」はプロドライバーが添乗し、「ここは何速で走ってください」「ここは回転数何回転にしてください」という指導を受けたもの。そうすると、向上率が53.6%にものぼり、実に燃費が1/3も節約できるという結果になった。
  表2は同じ年の11月に3回目の講習を行った際にドライバー12名の平均値をとったもので、先に2回指導を受けているため、フリーで走っても燃費が7.02qという形で向上が見られた。一方、省エネ走行でも8.88qということで、なかなか平均値で9q台にはもっていけないという結果も明らかになった。ドライバー自身が道路の起伏や勾配を日常走っている中ではなかなか読み切れない部分があり、緩い上り下りが燃費にとても影響することが分かった。
■今後の予定について
 次回(9月5日実施)の幹事会では、県内企業の中で一早くゼロ・エミッションを実現した「キリンビール竃k陸工場」様を訪ね、いかにしてごみを有価物にするシステムを作り上げたかを伺います。また、金沢市保健所を例に建物のエネルギー診断を行い、どういう形で設備改善を図っていけばよいかを実際に見ていただくことも考えています。
 こうしたことをはじめ、今後具体例を出来るだけ紹介しながら、参加企業が省資源・省エネに取りくむヒントにしていきたいと思います。
 
■幹事企業はすでに実行計画の策定に向けて取り組み始めています
 今回の総会では、すでにご紹介しましたように各幹事社に「地球温暖化防止実行計画策定マニュアル」と「温室効果ガス総排出量算定方法ガイドライン」を配布しました。また、温室効果ガスの現況を把握する際、該当部分に数字を入力すると自動的に排出量が計算できるプログラムも後日送付しました。
 こうした資料をもとにいくつかの企業では、早速、温質効果ガスの現況把握に取り組みはじめ、その内容や結果についての相談が入っています。
 
一般会員と幹事会員を募集します
連絡会では、当面は情報提供を受けながら計画
策定をご検討いただく一般会員の募集と、既に参加済みの企業の皆様とともに地球温暖化防止実行計画に取り組んでいただく幹事会員の追加募集を行います。
参加ご希望の方は、9月22日(金)までに環境保全課へご連絡ください。なお、幹事会員につきましては、事業所にお伺いし、地球温暖化防止実行計画の策定方法等について詳しくご説明させていただきます。 
 情報交差点は、環境に関する様々な情報コーナーです。掲載を希望される方は事務局までご連絡ください。 
■省エネルギー推進セミナー(3回コース)
日時 10月5(木)・11(水)・19日(木) 
   いずれも13:30〜16:30
会場 石川県地場産業振興センター
テーマ「経費削減に役立つ電気の省エネルギーの実践的な進め方」 
講師 (財)北陸電気保安協会石川技術セ        ンター所長 西上 章氏
定員 50名(先着順)
問い合わせ (財)石川県産業創出支援機構
        267-1001 FAX268-4911
 
■石川県からのお知らせ
@石川県環境会計研究会が9月12日発足
 県内の製造業や小売業など17社が参加。先進的な取り組みを進めている企業の環境担当者を招き、環境会計の仕組みや県内の企業で予想される問題点などについて話し合います。
A家電リサイクル法小売業者説明会
日時 10月20日(金)14:30〜16:00
場所 石川県地場産業振興センター
問い合わせ 石川県環境政策課 223-9444
 
■金沢リサイクルフェア2000
 市民団体や企業の出展などによる、楽しく、ためになるイベントです。
日時 10月14日(土)11:00〜17:00
      15日(日)10:00〜16:00
場所 市民芸術村および大和町広場
問い合わせ 金沢リサイクルフェア実行委員会事務局(生活環境課内)   .220-2525
金沢市持続可能な社会を形成するための
 連絡会事務局(金沢市環境保全課内)  
 
〒920-0026 金沢市西念町103街区1
  076-234-5132 FAX 076-220-2518 
 2000年9月1日発行